2012/09/18

どんな弁護士でも結果は変わらない?


最近、交通事故など、弁護士になって1~2年目の新人でもできる「簡単な」事件だと言う人(弁護士)がいます。
実際、そんなに経験のなさそうな人が、交通事故の「専門」であるかのように広報しているのを良く見ます(そもそも、日弁連が、業務広告に「専門」と表示することを控えるべきとしている点は措くとして)。

確かに、損害賠償の基本は、弁護士であれば、民法の不法行為という分野で勉強しています。
しかし、交通事故の損害賠償実務で扱う法律上の問題点は、幅広くかつ奥も深く、弁護士になる前にマスターしている人などいません。
みんな、弁護士になってから、交通事故の相談を受け、事件を受任する過程で、いろんな問題があることを知り、勉強していくのです。

加えて、交通事故では、被害者の治療の必要性や後遺障害が問題になることが多いわけですが、そこでは医学の知識も必要です。整形外科の教科書や論文を読む必要もあります。

ときどき、他の弁護士が扱っていた事件を引き継ぐことがありますが、どうしてこんな(不利な)主張をしているのだろうとか、どうして(依頼者に有利な)ここを主張していないのだろうとか思うことがあります。

決して、交通事故は、誰でもできる、誰が扱っても結果が変わらないという事件ではありません。
知識と経験がある弁護士が、そのノウハウを生かして当たれば、そうでない弁護士が担当した場合よりもより良い結果を得ることができると、私は思っています。